でFPSをする時の基本的なフォームについて説明したけど、中には基本から外れた異常なスタイルでプレイするプレイヤーもいる。今回は、CSGOのプレイヤーに見られる異常なフォームを紹介したい。
CSGOでは、敵をよく見るために画面の引き伸ばしを行うことがある。そうすると、頭の幅が少しだけ広がってHSを撃ちやすくなるという理屈だ。さらに敵をよく見るために、画面に目を近づけてエイムするプレイヤーもいる。例えばBondikというウクライナのプレイヤーを紹介する。
このように腕をテーブルに乗せて、肩を前に出した状態でエイムするスタイルをカイザースタイルという。もしこのスタイルのまま腕を引くと、常に僧帽筋や広背筋が収縮した状態になり、うまくエイム出来ないどころか、筋肉が壊れると思う。逆に、このスタイルの良いところは、僧帽筋や肩の筋肉が常にリラックスしていて、緊張しない点だといえる。
他には、通常フォームのままディスプレイを近づける人もいるが、その場合にはマウスパッドとキーボードの置き場所がなくなるため、置き場所を工夫する必要がある。
では逆に、後傾しているプレイヤーは存在するのか?存在する。JDMというアメリカのプレイヤーだ。このプレイヤーは優れたAWPer(スナイパーのこと)として知られている。
JDMはプレイ中も常にフルに後傾している。その代わり、ディスプレイの位置はぎりぎりまで寄せてきて(左右の幅をとるために台座な斜め置きしている)、その左右にキーボードとマウスを置いている。肘は両方とも肘置きに乗せて、肘から前の部分を使って、肘エイムとも手首エイムとも言い難い特殊なスタイルでエイムしている。基本的には手首エイムと言ってよいかも知れないが、手首をテーブルの端に完全に固定するスタイルではない。
前から見ると、両手の幅は広く、脇は完全に開いている。まるで、エヴァンゲリオンなんかのロボットのコクピットに座るパイロットのように見える。ちなみに、椅子のロックはしていないようで、時々揺れているシーンが見られる。
このスタイルはRedditなんかではLounge Styleと呼ばれて、やはり注目されているようだ。
jdm64's lounge style : GlobalOffensive
このスタイルの利点は、まず第一に、マウスに対する荷重が変わらないことだ。Bondikのように前傾してしまうと、前傾の具合によってマウスへの荷重が変わる。それによってマウスパッドの摩擦が一定でなくなってしまう。一方でJDMのスタイルならば、マウスへの荷重はほぼかからないし、常に変わらない。これは、エイムの安定につながる。しかしこれは、マウスの沈み込みを利用して止められないという意味では逆に欠点ともなりえて、JDMがQck Heavyという止まり重視のマウスパッドを使ってるのはこれが理由かも知れない。
もう一つの利点は、肩まわりの筋肉が常にリラックスすることだと思う。肩が疲労しにくければ、それだけエイムが安定する。
まとめると、安定性に全振りしたフォームだといえる。
一方で、明らかな欠点としては、テーブルの高さや椅子の形状によって出来ないことがあるという点だといえる。JDMは椅子の肘置きに肘を置いているから、肘置きがない椅子や、いつも使ってるものと違う椅子を使う場合などには安定しなくなる。しかしこれは、オフライン大会をする競技プレイヤーだけの幸せな悩みであり、自分で環境を選べる我々一般プレイヤーには関係ないかも知れない。
JDM以外のプレイヤーでは、Freakazoidが、特に配信中はこのスタイルでプレイしていることがある。彼は試合の時はやや後傾かほぼ垂直でプレイするが、配信はモロに後傾して、舐めプ状態のことがある。彼の場合はおれと同じで肩周りの筋肉が多いので、きちんとリラックスさせないと一瞬で壊れてしまいそうだ。
JDMの使ってるマウスとマウスパッドが以下になります。